◆実践事例報告会◆_校長挨拶(要項掲載)_

授業改善による学力の向上を目指して



 今年度から小学校において、新しい学習指導要領が全面実施されました。今回の改定の方向性の一つに「主体的・対話的で深い学び」の視点からの学習過程の改善が掲げられ、「どのように学ぶか」という児童の学びが重視されています。
当校では、児童の実態調査・分析を重ねながら、教育課程の編成や学習指導の改善など、新学習指導要領の実施に向けた準備を進めてきました。
そうした中、令和元年度に新潟県・新潟市小学校教育研究会より、2年間の学習指導改善調査研究事業の指定を受けました。私たちは、指導力向上の好機ととらえ、これまでの取組や実践をより充実・改善させる方向で進めることとしました。
 新井中学校区では、これまで子どもの話す、聞く力を育むことに力を入れてきました。当校では、安心して自分の考えを語れるような受容的な学級づくりに努めるとともに、「相手に聞こえる声で」「相手の目を見て」など話すスキルの育成、音読等を通して話すことへの自信を高める指導を日常的に行ってきました。昨年度からは、質の高い対話をキーワードに、対話を通して学習内容の理解を確かにしたり、自分の考えを深めたりする授業づくりを模索しています。
 研究を進めていく上で大切にしたことは、次の4点です。
1点目は、安心して自己表出できる受容的な学級集団づくりです。学校は集団生活の場です。共感的で支持的風土の学級づくりを基盤とすることで、対話活動が充実するとともに、学び合いが促されると考えました。
2点目は、学力向上へのスタンスです。とかく数値で示される学力が注視されがちです。もちろん、深い学びの土台となる基礎的・基本的事項の習得に力を注ぎますが、数値を上げることのみにこだわらないように心がけました。子どもたちの学ぶ意欲を喚起し、「学ぶ楽しさ」「わかる喜び」が実感できる授業を工夫・改善することで、結果的に学力が向上することを目指しました。
 3点目は、無理のない研究推進です。現在、教員の働き方改革が求められています。研究方法としては、お互いの授業を参観し合う授業研究を中心としましたが、指導案の簡略化、指導案検討の合理化、研究協議会の効率化などに努めました。一方で、教材研究には学年全体で取り組むこと、提案性の明確な授業を公開すること、成果と課題をレポートによって共有化することなどを確認し合いました。
 4点目は、子どもの学びのみとりに基づく改善です。協議会では、具体的な子どもの学ぶ姿や学びを基に指導や支援を振り返ることで成果を共有し、指導の改善につなげていきました。
 これまでの研究推進に当たり、上越教育大学支援プロジェクトの全面的なご協力とご支援をいただきました。特に、水落芳明教授並びに桐生徹教授の大学院生の皆様には、実践報告会のオンライン開催に向けて多大なお力添えをいただきました。
 また、当校の研究へのご指導・ご支援を賜りました新潟県教育庁上越教育事務所指導主事 中澤和仁様、妙高市教育委員会 指導主事 丸山文雄様 特別支援教育指導員 奈良岡裕様、妙高市立妙高小学校 教頭 長谷川和彦様はじめ、多くの皆様に心から御礼申し上げ、挨拶といたします。