のしょうや、ほうこうにんみんなして、
 
 「だんなん、おまさん、どうしたんだね。きつねなんかね、二十両も出して。」
 
 「きっねに、ばかさんたんだねかね。」
って、せめたってね。そんだけも、げんごえもんはねえ、

 「ばかせうもんでねわや、もののいのちってもんは、たすけておくもんだわや。」
って、せっておらんたって。

 それからだんだん日もたって、ぼんの十三日んなったってね。げんごえもんが、せんぞの、はかへおまいりしいくとね、わかい女の人が、にこにこわらって立っていたってね。そしてね、げんごえもんばみて、さもさも、知っていたかのようなふうして、そばへきて頭さげたってね。

 「おまさん、えらえ、おれば知ってるみたいに、頭さげらんたが、おれ、おまさんば、知らんけも、おまさん、一体だれだ
37