「さあて、わしのちきしょ、どうも、子どもばさらってきたらしい」って、大いそぎで、.村のしょば、たのんでおろしてもらったってね。

 そうしてね、おしょうさん、ちちないすけあっちのうち、こっちのうちって、ちちもらってあるいて、その子ば、そだてらんたって。そのうちに、その子もだんだん大きくなって、歩くようんなったってね。

 おしょうさんは、

 「この子のおや、なじょね、せっながっているだろ。」
って、考えらんてね。その寺におまいりあるって、きんじょの村、あっちの村ねも、こっちの村ねも、みんな、ふんて歩かんたって。

 そうして、その日んなんと、あっち、こっちの村のしょ、みんなおまいりにきたってね。
 めぐらんなった、おっ母さんも、となりの人にさそわんて、

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