かがやき 見いつけた! (校長室便り)

真剣に考えて発表する姿 素敵です!  6年生が社会同和教育市町村巡回研修会で授業公開 



 11月6日(火)、新潟県教育委員会主催の平成24年度同和教育市町村巡回研修会が当校を会場に開催され、6年生が次のような授業公開をしました。

【6年1組】  主題名「時代を支えてきた人々 〜江戸時代〜」
<ねらい>
 江戸時代、厳しい差別を受けながらも高い知識と技術をもっていた老人が当時の医学に貢献していたことを理解します。そして、その知識と技術が、後の医学の発展に大きな影響を与えたことを知り、時代を支えた老人の生き方から学んでいきます。
<学習活動>
 『蘭学事始』や「腑分け(解剖)の図」を見て、実際に腑分けをしたのは、杉田玄白のような医者ではなく被差別部落の老人であったこと理解しました。そして、なぜ、医者が腑分けをしなかったのかを考えることで、前に学習したケガレ思想があったことに気付きました。その上で、この老人が医者よりも高い知識や技術をもっていたことを知り、差別を受けていても、自分の仕事に責任をもって取り組み、後の医学の発展に貢献したことを感じ取りました。最後に、この老人の生き方から学んだことをワークシートに書いて、発表しました。



【6年2組】  主題名「時代を支えてきた人々 〜室町時代〜」  
<ねらい>  
 現在、世界遺産になっている銀閣の庭園が、「河原者」と呼ばれて差別されていた又四郎たちの高度な技術によって造られたことを理解します。そして、どんなに努力をしても差別される又四郎の悲しみや、又四郎の生き方に共感する僧の言葉から、人間として大切なことは何かを考えます。
<学習活動>
 銀閣の画像を見て、庭の素晴らしさに感心しました。そして、世界遺産にもなっているほどの銀閣の庭をつくった又四郎が差別を受けていることを知り、差別の不合理さや憤りの気持ちをもちました。その上で、「又四郎こそ人である」という僧の言葉から、人間として大切なことは何かを考えました。最後に、又四郎の生き方から学んだことをワークシートに書いて発表しました。



講演の後、ワールドフェア方式でのグループ
協議「差別はなぜ起こるのでしょうか」

 140名を超える方々が参観され、次のような感想を書いてくださいました。

「杉田玄白について、いろいろな意見が出ていて、よかったです。『けがれ』の差別について、画面や吹き出しを使っていて、分かりやすい授業でした。子どもたちが真剣に考えて発表する姿は素敵です。」

「子どもたちが自分の言葉で自分の気持ちを答えていたり、教師が一人一人の考えを受け止め、授業が進みました。自分の考えをもち、伝え、受け止め合うことが差別のない社会の姿だと思います。勉強になりました。」

「子どもたちに問題を投げかけ、考えさせ、気付きを起こさせ、言葉でそのことを表現させて意識化させていく授業に拍手です。『どうかしていると思う』『おかしい』という気持ちを掘り起こしている点が非常によいと思いました。」

「とても難しく、私ももう少し人権問題や同和教育を受けなくてはいけないと思いました。今日は、来てよかったです。」

「お二人の先生方の強い思いを感じましたし、それを受け止める子どもたちも真剣に考え、自分の言葉で伝えようとしていると思いました。ちょっとしたさりげない先生の指示の仕方や言葉がけに、相手を尊重する心が表れていると思いました。子どもの人権意識は、日々の生活や学習の中で、少しずつ育っていくものだと思います。」

 また、当校で、1年生から計画的に同和教育関連学習に取り組んでいることについても、励ましの言葉をいただきました。御参会の皆様、大変ありがとうございました。
 今後も、合い言葉「自分もみんなも 明るく、うれしく、よかったね」のもと、人権教育、同和教育を柱にした教育を進めていきたいと思います。

 


2012年11月8日 作成者:小林 啓一