かがやき 見いつけた! (校長室便り)

「てるちゃん」 ようこそ!  藤井輝明先生とのふれ合いタッチング交流



 10月1日(水)、『てるちゃんのかお』の著者で医学博士の藤井輝明先生が来校され、1限から6限まで、全学年に授業をしてくださいました。

 藤井先生は、2歳の時に「海綿状血管腫」という病気のため、顔に大きなあざができ、そのことで、いじめや差別、数々の辛い目にあってきました。しかし、「あなたの顔は宝物よ」と励ましてくれた御両親や転校先の先生や友達の応援を受け、難病の原因を探り、難病に苦しむ人たちを救いたいと、医療・福祉の道に進まれました。
 そして、現在、藤井先生は「一人一人、その人にしかない宝物は必ずある。その個性にふれ合い、感じ合い、理解し合える社会にしたい」と、全国各地で講演をされているほか、全国の小・中・高等学校で、「ふれ合いタッチング交流」をされています。



 今回、子どもたちと共に藤井先生の生き方を学んできた当校の職員が、子どもたちにぜひお話をしていただきたいとお願いしたところ、先生の御好意で夢のような交流授業が実現しました。
 朝からほとんど休みなしでの連続授業でしたが、藤井先生は終始笑顔で、学年に合わせて、次のようなお話をしてくださいました。(一部を紹介します。)

・自分の病気は難病だが、感染したり遺伝したりしないので、怖い病気ではない。
・このような難病は約7000種類もあり、全国で約100万人の患者さんがおられる。
・正しい知識や情報を得ると、偏見を持たなくなり、それぞれの個性、特徴だと思えるようになる。
・だから、学ぶこと、勉強はとっても大事である。
・全国には難病などで学校に行きたくても行けない子どももいる。「学校で遊んだり勉強したりする」ということは一見当たり前のように見えるけれど、決して当たり前のことではない。
・いじめを見て見ぬふりをするのでなく、困っている人に積極的に声を掛けてほしい。
・いじめられる人にも原因があるというひとがいるが、それは間違いで、いじめをする人が100%悪い。
・いじめをする人は強そうに見えるけど、実は弱い人である。
・自分は本や写真集、CDやDVDも出しているアイドルで、この顔こそ、自分のチャームポイントだと思っている。
・「できない、やれない、無理」という言葉は使ってはいけない。使うと、できる方法、やれる方法を見つけようとする努力をしなくなってしまう。
・自分に誇りをもち、生きていってほしい。一人一人には、その人しか果たせない役割がある。
・友達を大切にすると、友達も自分を大切にしてくれるから、友達を大切にし、友達がしようとすることを応援してほしい。

 



 藤井先生が「友達を大切にしようと思う人?」と問うと、全員が手を挙げるのをご覧になり、「友達を大切にする決議、満場一致!」と、子どもたちと一緒に記念写真に収まってくださいました。
 また、質問や感想を話す子どもに近寄られ、「ツーショットだよ」と笑顔で記念写真、優しく分かりやすく質問に答えられ、一人一人に温かな言葉を掛けられました。
 そして、先生が大切にされている「タッチング交流」。
 「ここに触ると、勉強やスポーツができるようになるんだよ」と話され、一人一人と握手した後、顔に触らせてくださいました。子どもたちが、「うわあ、やわらかい!」「ぷにゅぷにゅしてる」「気持ちいい」という感想一つ一つに「そうそう」「そうだね」「かたくないでしょ」と優しく答えてくださいました。
 先生はこの「タッチング交流」を「百聞は一触にしかずで、自分や病気のことを理解してもらうのに、とってもいいんです」と、大切にされておられます。そのための学年ごとの交流授業でした。
 「てるちゃん」こと藤井先生のお話を直接うかがい、実際に顔を触らせていただいた思い出は、「友達を大切に」「自分に自信をもって」「見て見ぬふりをしないで」などのメッセージと共に、子どもたちの心に深く残ることと思います。

 御多用な中、おいでいただきました、おうちの方や地域の方、大変ありがとうございました。


2014年10月2日 作成者:小林 啓一