トピックス__

第73回卒業式

校長式辞 『できるか?』と尋ねられたら、『もちろん、できます!』と答えなさい



 伝統ある妙高高原中学校の第七十三回卒業生として、めでたく巣立ちの日を迎えられた三十二名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。卒業証書を手にして、喜びも一入のことと思います。この三年間は、楽しいことばかりではなく、辛いこともたくさんあったに違いありません、それら全ての経験が皆さんの成長の糧となり、凜として頼もしい今の姿につながっていると思います。
 思えばこの一年間は、コロナ禍に翻弄され続けた一年でした。4月当初から部活動が中止となり、五月末まで全くできませんでした。六月に入ってようやく再開されたものの、残念ながら、運動部は地区大会並びに県大会が中止となり、吹奏楽部も、地区及び県の吹奏楽コンクール、そして、マーチングコンテストも中止となりました。皆さんがずっと目標にしてきたものが一瞬にして失われたのですから、普通ならとてつもない喪失感で、気持ちの切り替えなど、すぐにはできない状況だったと推測します。
 しかし、皆さんは違った。驚くべき精神力で、またすぐに前を向き、歩み始めた。そこには、自分たちを信じて付いてきてくれる後輩たちに、弱みは見せたくないという、3年生としてのプライドと使命感があったに違いない。私は校長として、そんな皆さんの姿を本当に頼もしく思ったし、誇りに思いました。大きな試練を乗り越えた精神力で、本校の顔として、いつも前向きな態度で、学校行事や生徒会活動において、一,二年生を力強く引っ張ってきました。その甲斐あって、今年も、本校の伝統は立派に引き継がれた。本当によかったし、お疲れさまでした。これからの人生においてどんな試練が待っているかわかりません。しかし、この三年間の経験を糧に、力強く乗り越えていってください。
 保護者の皆さま、お子さまのご卒業、誠におめでとうございます。立派に成長されたお子様の姿に、十五年間の子育てを振り返り、感慨も一入のことと拝察いたします。皆さまには、今日まで三年間、本校の教育活動を、常に温かく見守っていただき、いろいろな場面で手厚いご支援を賜りました。この場をお借りして、教職員一同、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 ここで、四月から新生活をスタートさせる皆さんに、私から一つ「餞の言葉」を贈ります。よく聞いてください。「『できるか?』と尋ねられたら、いつでも『もちろん、できます!』と答えなさい。それから急いで、やり方を探ればいい。」です。これはアメリカの第26代大統領であるセオドア・ルーズベルトの言葉です。彼は、前任のマッキンレー大統領の急死によって、急遽大統領の職に就いた人です。彼の言うように、「できるか?」と聞かれた時には、必ずやり抜いてやるという気持ちをもって、「できます」と答える人間こそ、これからの変化の激しい、先の見えない時代を主体的に生き抜くことのできる人間ではないでしょうか。できると思ったらやる、やろうかどうか迷った時にもやる。人生においてチャンスはそう多くは訪れない。後悔先に立たず。是非とも積極的に行動し、チャンスを生かすことのできる人になってほしいと思います。
 最後に、卒業生の皆さん、中学校を卒業するに当たり、これまでたくさんの愛情を与えてくださったご家族の方々、そして、いつも優しく、ご支援くださった地域の方々への感謝の気持ちを忘れないでください。そして、これからは家族の一員として、そして、地域の一員として、家族や地域に恩返しのできる人になってください。皆さんの活躍を心から期待しています。
 結びに、卒業生の皆さんの輝かしい未来とご出席の皆様方のますますのご健勝を祈念申し上げ、式辞と致します。

 令和三年三月二日

           妙高市立妙高高原中学校長
                  重野 準司






2021年03月02日