学校だより__

部落問題学習を行いました(1学年だよりから引用)

読み書きができないことの辛さ、歯がゆさ



 これは、11月30日に1Aで行った授業の導入部分で出した画像です。私は生徒に「高熱を出しているあなたの親を助けるために、どの瓶(薬)を選びますか?」と問いました。生徒は、「え・・・。」と困惑。それもそのはず、ラベルの文字には何が書いてあるのか全く分かりません。もし、毒などの人体に影響のある瓶を選んでしまったらと考えるだけで・・・。
 一時的に「字が読めないような状態」を体験したわけですが、日本の識字率(基本的な読み、書き、計算の能力)は、99%です。生徒の中には、「100人いたら1人は読み書きができないということだから、結構な割合なんじゃない!?」というつぶやきも聞こえました。
 今回は、被差別部落の出身ということで差別され、家が貧しくて学校に通うことができず、読み書きができなかった北代色さんの話にスポットライトを当て、人権教育・同和教育について改めて考えました。
 字が読めなかったことで、愛する人を奪われてしまった経験の他にも、悔しさ、苦しさ、悲しさなどのマイナスな一面もありながら、識字学校に通い、70歳で読み書きを覚えたというプラスな一面も知り、「差別や自分自身と向き合うために立ち上がって努力をしたんだ。かっこいいな。」という前向きな気持ちになれる話でした。以前、いじめ見逃しゼロスクール集会の際に講演をしてくださった中倉茂樹さんも言っていたように、「人権学習は、幸せになるための学習」という認識をもち、現代の日本社会におけるさまざまな差別問題と向き合っていきたいと再確認することのできた1時間でした。
 妙中の人権強調月間は12月の球技大会で終了となりますが、今後も引き続き、いじめや差別問題に対して真剣に考え、クラス全体で「自分事」として捉えながら議論していきたいと思います。