「おまさん、いったいどうしなったんだね。」
って、聞いたらね、おさむらいは、
 
 「おれ、じつは今、くるとちゅうで、へんなことに出合った。、なんのしわざかわからんが、へんな馬にのせらんて、こごへきたんだすけ、こんなもんは、牛のしょんべんだか、馬のくそだかわからん。そう思うと、酒もさかなもくわんねんだ。」
って、せったってね。げんごえもんは、
 
 「そういわれればむりもない。じつは、こうこう、こういうわけでーーーーー。」
って、今までのことみんな話したってね。
 
 そうしたら、おさむらいは、
 
「そうか、そういうことならよくわかった。」
って、こんだ、お茶も、おかしも、酒も、さかなも大すきだせって、たらふくくわんたってね。

 そうして、夜になったらねえ、

 「さあ、ご主人、かねぐらの戸、ぜんぷあげて、そん中に金
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