あるとぎ、関甲通ってなあ、しんしゅうの方へ、えごうって、里の方からあがってこらんたってや。
そうして、上関田の村まできたらなあ、あっちねも、こっちねも、村のしょう、かたまって泣いていたってや。
「へんだなあ、なあして、こんなね泣いてえるんだろう。」 って、聞いてみるとなあ、ひとりのとしょりが、
「この村のしょうやさんのうちに、自羽の矢、立ってしまっ、たんですわねー。」