そのうちに、だんだん、空、あがるぐなってきて、村のしょ、もうみんなお宮さんの下へきていたってや。そして、しょうやさんば、せんとうにして、おそるおそる近よってきたってや。

 重太郎は、

 「わしはぷじだ!ここにいる!ばけもんじゃない!こい!こい!。」
って、手まねぎしらんたってや。

 そんでも、村のしょう、おっかな、びっくり、そろっ、そろっと近づいてきたってや。

 重太郎は、

 「たしかに、なんかたいじしたようだ。よく見てくれ」
って、ゆうべのことば、くわしく話さんたってや。

 村のしょ、そごらよく見たら、地面に、血ながんていたってや。

 「こんだけの血、出てれば、きっとふかいきずうけてえる。この血のあと、おってげばみっかるだろう。」

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