って、みんなであとっけてえったってや。 いいかげんえったとごになあ、ふかい谷あって、そごまでで、血のあとねぐなっていたったってや。どうもその谷ん中へ、ころげおったようだったてや。 村のしよう、 「たいていのもんなら、この谷へおちれば、死んじまうだろうけも、もし、まんいち、生きてえれば、あとで、しかえしにくるかもしんねえ。」 って、心ぱいしてるすけなあ、重太郎はまた、 「そんじゃ、わしがおりてみよう。」 って、せわんたってや。 そうして、みんなの、おびばとって、そればつないんで、そればつたって、おんてえがんたってや。 そうして、だんだんえぐと、下の方から、うーっ、うーっ、うーって声してきたってや。 「なんかえるぞう。」って、そうっと、おりてみたらなあ、がけのよごに、あなあいていて、 そん |
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