「こら、こら、もっとなりなおしてこんくちゃ、ちちくれらんねねか。」
ってせうと、きつねは、ぶるるんとひとつ、大きいみぶるいしたと思ったら、たちまち、きれえな母おやのすがたんなって一
 
 「さあ、かしてくんない。」
って、子どもばだいて、ちちくれらんたってね。それから、とうぷんのあいだ、おとっつぁん、子ばぶっちゃ、まいんち、まいんち、ちちくれにいかんたって。

 そうしたら、ある日、きつねが、
 「だんだん、田うえも近づいてきたし、おまん、この子かたって、大へんだろうけも、田うえできるよういだけしてくんない。よういできたら、おれ、なかまつんてって田うえするすけね。」
って、せわんたってね。おとっつあんは、せわんたように、田うえのよういしたって。
15