きつねのおんがえし

 むかし、あったってね。あるところにね、おとっつあんと、おっかさんと、ふたり
で住んでおらんたってね。
 
 そうしたところが、おっかさんがさきに死んでしまわんたってね。そんだすけ、お
とっつあんひとりで、さびしく百しょうしながらくらしておらんたって。
 
そうしたら、ある日ね、おとっっあんが、もうばんがたになったすけって、いろり
に火たいてあたうておらんたってね。

 そうしたら、「ごめんない、ごめんない]って、だれかこらんたって。

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