昔話こそ、今に生きる人たちの心の古里であり、ゆりかごであると思います。
 
 昔話には、その土地に古くから伝わっていたものと、おばあちゃんが、お嫁に来たときに持ちこまれたものとあるようですが、なかには遠く神話の中に出てくるのに近い話もあります。こうしてみますと、何百年、何千年もの昔から語りがれたものでしょう。それを今の人たちが受けつぎ、子孫に伝えていくことは大切なことであり、そのことはまた、古里や、国を愛することにっながるのではないでしょうか。

 わたしの家から、関田の山々が見えます。この本を読んでいくうちに、そここすむ皆さんが思い出され、むしょうになつかしくなりました。この〈むかしむかし〉をまとめられた、尾崎先生は、わたしといっしょに筒方小学校にお勤めされていました。わたしの名前が出たのもそのためです。おじいちゃん、おばあちゃんも、孫さんといっしょに、

 この本をお読みくださいまして楽しい家庭、平和な村作りにお骨おりいただけたら、こんなにうれしいことはありません。


                           元筒方小学校 下 酉 正 博