て、そのうちに、だんだんくらくなってしまったってね。
 
 「こりゃ、こまってしまったなあ、もう、うちへも帰らんねしー。」
って、むこうのほうを見たら、ずっとむこうのほうに、小さい炭やき小屋みたいなもん、あって、チカン、チカンって、あかりもついていたってね。
 
 「ああ、いがった。こんやあの小屋でとめてもらって、あしたの朝、帰ろう。」
って、ずんずん、ずんずんと小屋へいったってね。そうして、あっち、こっちから、たきもんあつめてきて、小屋ん中で火いたいて、あたっていたってね。

 そうしんと、しばらくたつとねえ、きゅうに、カッと、そこらじゅうあがりくなったと思ったら、入口にわかい女が、にこん、にこんわらって立っていたってね。
 
 そしてね、「どっこいきたしょ!!。」って、背中から、糸車ばおろしたって。そうしてまたにこん、にこん、わらいながら、

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